数年前に写し絵の絵師について話した事がありました。
ですが、システム障害等で記事が無くなってしまったので、少し昔の事を思い出しながら再度書こうと思います。
苦労して写し絵の復元複製を作っていた、一番大変だった頃の話。。。
当時は現存している実物の資料が圧倒的に少ない事に落胆しながら、それでも一番難しいだろうと思われた幻灯機(風呂)の復元に成功した頃の事。
思いがけず現存している種板(スライド)でも大分古い物に出会えました。
この絵は殆ど調査は行われていなかったので、現代影絵で復元されるのは日本で始めての事でした。
この種板で公演する事は考えてはおりませんでした。
なぜなら、初期の頃の種板なので仕掛けが少な目だったからで、現在の演目に合いそうもなかったからでした。
ですが
描かれている絵は一級品でした。
ひと目で分かりました。
都鏡の作だと言う事に。
※都鏡は写し絵を作り上げたトップクラスの絵師
この時は本当に興奮しました。肉眼で見るのは初めてでしたからなお更です。
形として復元しないまでも、絵として残したい。そんな思いでした。
調査が終わった一ヵ月後ぐらいから絵の復元(同じ物を作る作業)を始めました。
復元を始めてしばらく経った頃、面白い事に気づきました。
作業をしているとどうしても疲れてきます。そうすると休憩するのですが、本物の絵の中にも休憩して作業を中断したのではないかと思う所が所々出てくるのです。
一流の方が作っているのだから、そう簡単には発見できませんが、こちらは先端技術を使用しているので大分拡大して見えます。
しかも昔の人は現在の人口光などなく、日の光や炎の灯りの下で作業をしていたのですから、多少の誤差などは出てしまったのではないかと思います。
だとしても8cm角程度の中に、よくもこんな繊細な絵をえがけたかと、関心するばかりです。
この時の経験は今思い出しても最高の時間でした。
自分が生きているはずも無い頃の絵師との共有感みないな、そんな感覚を感じながら作業をしておりました。
このような機会を与えて頂いた、関係者の方には感謝しきれません。
今思い出せるのはここまで。
以前はもっと書いていたと思います。
また思い出した時に追記したいとおもいます。
お蔭様で当時の記事が復元できました。
下記に記事リンクを張りますので興味があればご覧下さい。
https://utsushie.org/utsushie-story/2007-02-21.html