ごぶさたしております。
久々の更新ではありますが、今日はツタンカーメン展の感想です。。。
今話題沸騰のツタンカーメン展に行ってまいりました。
思った以上に混雑していて、整理券が配られる始末。まさかの3時間待ちでした。ディズニーランド以上の待ち時間です。とほほ
とは言う物の、この展示会はどうしても見たかったので苦にはなりませんでした。
前売り券を買い、おまけにプレゼント付のプレミアム券にしてしまいました。もらったのは小指程度のフィギュア。
あーこれだったらツタンカーメンのお面でも買えばよかったと少し後悔。
気を取り直し中へ。
出たー!
最初にお出迎えは石造でした。
三千年以上も前の物とは思えないほど綺麗です。
背中にはヒエログリフの文字が。。。生で見るのは初めてです。
私はエジプト文明が大好きで、図書館にあるような分厚い大型写真集も宝物でもっている。
だが生で見るのは今回が初めてなので、かなり興奮していた。
中に入ってゆくとツタンカーメンの縁者の装飾品などが飾られ、だんだんとツタンカーメン本人の発掘された時の物が出て来る。
今回の大目玉は、ツタンカーメンの黄金のカノポスである。
これは内臓をしまっておく容器で、全部で4つ。
展示されているのはその内の一つで、ツタンカーメンの第二の棺の顔に似ている事からこれが選ばれているらいしい。
たぶんカノポスは最後だろうと思っていたので大混雑の会場内をゆっくりと見学。
いやーあるわあるわ。王家の谷でツタンカーメンの墓が発掘され、その際に撮られた写真に写っていた発掘品の数々が、今まさに目の前に広がっていた。
なんとも言えない感動がこみ上げる。
ここで今回ツタンカーメンを題材にした理由です。
前に昔の人だからできない、昔の人だからできた事もあると言う文章を書いたが、まさにそれであった。
胸飾りの装飾はなんともいえない緻密な物で、小さな文字や絵を実に綺麗に作り上げている一センチぐらいの場所に何個も描かれているのだ。
まさに昔の人だから出来た物だろう。
椅子一つにしたって、木の部分に細工された象牙だろう物が埋め込まれているし、一つ一つ細工が細かい。何千年も前に作られているのに木がくさっていないのは驚きである。発掘された時の写真にも写っているが、やはり壊れていないで発掘されている。
昔の人は本当にすごいなーとつくづく想う。
さらに奥へ進むと黄金のカノポスが現れた。
たかだか内臓をしまう容器なのに、すばらしい装飾がほどこされていた。エジプトの王の威厳を感じた。
そして隣には、ミイラが発掘された時に腰に刺さっていた黄金のナイフがあった。
これは何処かの国から送られた物らしいが、この装飾もすばらしい出来だった。
文章では伝えられないので、是非見に行ってほしい。
本当にすばらしい。
私が心からすばらしいと思う事は、これらの発掘された物もそうだが、この素晴らしい発掘品の数々を他国に貸し出してくれるエジプトの心意気だ。
なかなか出来る事では無い。
今回の展示の数十年前にもエジプトの発掘品が各国を廻った事があったそうだが、その際に発掘品が損傷してしまい、それを機にエジプトの議員方の訴えで、他国への持ち出しが禁止になってしまったらしい。
この度の展示が数十年ぶりとなってしまったのは上記の理由かららしいが、再びこのような展示を許可してくれたエジプトにお礼を言いたい。
あと一つ誤りたい事もあった。
実はエジプト考古庁のザヒ・ハワスという最高責任者の博士がいるのだが、私はあまり良いイメージを持っていなかった。
なぜなら、発掘した各国の博士や研究者を差し置いて、最近では自分が発掘したかのようにテレビに出まくっていたからである。
だか、今回の展示会に行った事を機会にザヒ・ハワス博士の事を調べてみると、発掘品を守る為に数々の苦労と努力をしている方だと分かり、自分が持っていたイメージがガラリと変わってしまった。
内政が不安定だったエジプトでは、現在においても盗難があり、ツタンカーメンの発掘品も何十点も盗まれたらしい。
実におしい事である。
これらを取り戻す事、発掘の手助けをする事、発掘品の研究をする事、発掘品の展示をする事など、多忙な事この上ない。
長年情熱を持ってそれを維持し続け、周囲への気配りを忘れないでいる事は難しい事である。
何度も裏切りのような行為を経験した事だろうと思う。
私もこの世界にはいり、傷つく経験や話しを聞く事が稀にあったが、その度に心が折れそうになる。
良い方達の方が圧倒的に多い事は間違いないので、まーなるべくそのうな事には負けずに自分の殻に閉じこもらないようにがんばるのだが。。。
だがザヒ・ハワス博士の規模は国レベルなので、その心労は計りしれない。
実は発掘する側同様、保存していく側もそうとうな苦労があるのだ。これは写し絵で色々な保存場所を見た時に思った事だ。
これからもエジプトの議員さん、ザヒ・ハワス博士には、現地に行けない人がエジプトの文明に触れられるようずっと公開の意思を貫いてほしいと思う。
最後に、ツタンカーメン展で売られている解説本は必ず買って下さい。良い勉強になります。良く作られております。
値段は2,500円です。