伝統芸の今後

今年も宜しくお願い致します。
芸能人のぜんじろうさんのホームページにとても良い文章が掲載されていました。
http://zenjiro.laff.jp/blog/2006/03/post-c189.html(2018現在。消滅)

文章抜粋(詳しくはホームページを参照)
伝統芸ってなんなんでしょうね。。。
昔の芸の側を受け継ぐのが正しいのか、
昔の芸の精神を受け継ぐのが正しいのか?

う~ん。深いです。
現代影絵も正に原点は同じです。私たちは最初に「昔の芸の精神を受け継ぐ」から始めました。
でも昔はこんなでしたと口で説明しても中々人の心には届かないものなのです。実演して分かりました。なので最終的に「昔の芸の側を受け継ぐ」も平行して行うようになったのです。

今では「昔の芸の側を受け継ぐ」がメインになりつつあります。と言うのも、ただ復元に膨大な時間を要する事と、昔の実演研究が主な課題となってしまっているからなのですが。。ですがちゃんとした理由もあります。
「現代の技術を昔の人達には表現出来ないだろう」と思っている方が殆どだと思います。前にも同じような事を書いた事があると思いますが、これは間違いです。間違えに気づいた事が理由といえば理由なのですが、昔の人に出来て今の人に出来ない失われた技術は沢山ありまして、写し絵もその一つです。当時は幻燈機(風呂)を一人で2台操作出来た方もいらしたそうですが、私には到底無理であります。そしてあの素晴らしい絵を描く事も無理であります。使われた絵の具の原料さえ解明されておりません。

あのエジプトのピラミッドだって同じじゃありませんか?
巨大な石をあんな高さまで積み上げて行くのですから。。。現在の技術でも中々難しいそうです。でも昔の人はやり遂げました。
宮大工の工法だって失われてしまった技術が多々あるそうです

私は良く考えるのですが、昔の人は「想像力、発想力、労力」が現代人より高かったのではないでしょうか。
それはなぜか?

現代より圧倒的に物資が少なかったからだと思っています。無い物から生まれると言う事もあります。
影絵だって光が無いから生まれた芸能です。江戸時代の夜はとても暗かったにちがいありません。ですが江戸庶民は「想像力、発想力、労力」を駆使して写し絵のような芸能を作り出し、暗くて不気味な漆黒の闇でさえ楽しい物に変えてしまったのです。

そして何しろ「想像力、発想力、労力」を駆使したからこそ人に感動を与え、心に残る物が残せるのだと思います。

長くなってしまいました。
ですので理由は上記で述べた通りなのですが、まとめると「想像力、発想力、労力」を駆使して作られた昔の芸能を見て頂く事により何かを感じてほしい、と言う事だと思います。現代影絵の理念でもあります(詳しくはFAQを参照)。

昔の芸の側を受け継ぐのが正しいのか、
昔の芸の精神を受け継ぐのが正しいのか?

色々考えさせられる文章でした。