落語と写し絵

この度当時の写し絵を再現すべく、落語家さんとの共演を行う事になった。
これは兼ねてからの念願ではあったが、落語家団体の「楽笑会」さんのご協力により実現となった。
今回は楽笑会の「笹の家小夏」さんと言う女性落語家さんに出演願える事になり嬉しさ一杯であったが、次ぎの日に落語会を控えていると言うのに出演して頂き恐縮の一言である。

良い機会なので落語と写し絵について少し話したい。
落語と写し絵とは深い繋がりがある。
語りを落語で写し絵を行っていた事はご見当いただけると思うが、実は落語の話しの中に、写し絵の事を説明する所があるのだ。
今回「ヨルイチ」で行う落語は、この写し絵に由来のある演目だそうなのでとても楽しみだ。是非読者の方々にも来て見てもらいたい。

上記で落語と写し絵で興行を昔行っていた事に触れたが、じつは江戸ではそう盛んでは無かったらしい。むしろ盛んだったのは説経節や浄瑠璃の方で、写し絵と落語で頻繁に興行していたのは「上方」のようである。
上方には現在も落語をモチーフとした素材が結構の残っており、人気があった事が伺える。
確かに落語は聞くだけでも楽しいし、影絵とのコンビネーションであれば更に楽しみ方も増えるのだろう。昔の人々は楽しみ上手だとつくづく思った。
そんな分けで写し絵と落語でやっと繋がりが持てた。

今迄演じる側だけであったが、これからは落語を聞きながら楽しく演じる事も増えそうな予感がするのでとても楽しみだ。
これは「楽笑会」様なくしてなしえない事だが、今回を機にこれからもおつき合い願えると嬉しい。

最近は学校の課題として写し絵を研究し始めた先生方もいるようだ。
実際に現代影絵プロジェクトと名前が似た(笑)学生のプロジェクトも立ち上がったようだ。

しかしながら、若い方が昔の事に着目し再現しようとする事はとても良い事で、課題に写し絵を選んだ先生もとても良い選択をなさったと思う。これは写し絵を行っている私のヒイキ目の部分もあるかもしれない。
だが昔の人々の文化や歴史に触れる事は重要で、それらが注目されない現代では良いプランだと思う。

話しが長くなってしまったが、これからも現代影絵は上記で記した事を体で体感して頂ける場を作って行きたいと思う。