先日念願だった写し絵の公演を初めて行う事が出来た。
通常の演目に写し絵を少しだけ行ったのだが、子供達には大変人気があった。演目はダルマから手足が出たり入ったりする簡単な物だった。ストーリーは拍子木を鳴らすと勝手に動き出すダルマと言う物で、拍子木の音と共にダルマの手足を出したり、引っ込めたりした。こんな簡単な物だが子供達の興味はすごい物だった。
時間もあったので、試しに写し絵の仕掛けである種板と風呂の操作を実際に感じてもらおうと思い、参加者を募り操作の実演を行った。もちろん写し絵の方に大方の子供達は群がったが、拍子木を鳴らしてみたいと言う子供が以外に多かった事に驚いた。
何度か公演していると、楽しませようと狙って作った所ではない考えもしなかった所で子供達が興味を示す場面を目の当たりにする事がある。
今回もそうだが、メインではない拍子木に興味を持ち鳴らしたいと言う子も居て、まだ子供でもやりたい事が人によって違い、興味も個々に違うと言う事を改めて見る事が出来勉強になった。
考えてみると私も幼い頃、自治会で行っていた「火の用心」の拍子木を触りたくて触りたくて仕方ない頃があったのを思い出した。しかし大人に触っては駄目と言われ悔しい思いをした事があった。私も大人になり、子供の頃の事をじっくり考えないと思い出せなくなっているので、昔大人に駄目と言われて道具に触れなかった悔しい思いを今大人である私が子供達に言わないよう気をつけたい。そして写し絵の公演でも、道具を壊される事を怖がらずに沢山の子供や大人に実際に触ってもらい体感してもらいたいと思う。
子供達が大人になって、「写し絵って言う面白いものがあったな」とか、大人が「子供の頃を思い出した」など、心の一片に私達の公演の事が残ってくれれば今はそれで良いのだろうと思う。