暗やみで光る、あの夏のかけら

みなさん、こんにちは。「写し絵の話しあれこれ」へようこそ!

梅雨が明けると、いよいよ夏本番ですね。夏といえば、みなさんはどんな風景を思い浮かべるでしょうか。太陽がギラギラと照りつける青空や、入道雲、ひまわり畑……そんな昼間の景色も素敵ですが、やっぱり夏といえば「夜」の独特な空気感がたまらないと思いませんか?

ちょっと涼しくなった夜風に吹かれながら、どこかへ出かけたくなる季節。今回は、そんな夏の夜にぴったりの、少しワクワクするお話をお届けしたいと思います。

暗闇の水族館で出あう、デジタルな花火

先日、マクセル アクアパーク品川で開催されている「花火アクアリウム by NAKED」の話題を耳にしました。2026年7月4日から9月6日まで開催されている夏の人気イベントで、テーマは「暗闇の水族館とデジタル花火の融合」なのだそうです。

想像してみてください。しん……と静まりかえった暗闇の水族館。大きな水槽の中を、優雅に泳ぐ魚たち。その背後の壁や水面に、最先端のプロジェクションマッピングによって、色彩豊かな「デジタル花火」がドーンと打ち上がるのです。

暗闇の中にパッと広がる鮮やかな光と、ゆらゆらとたゆたう海の生きものたち。光と影が重なり合って作り出すその光景は、きっと息をのむほど幻想的なのでしょうね。

最新の映像技術と自然の生きものが織りなす空間は、まるで魔法にかかったかのようなワクワク感を届けてくれます。でも、そんな最先端の「暗闇×光」の演出に胸を躍らせながら、私はふと、まったく別の古い記憶を思い出していました。

「そういえば私、昔から暗やみの中で光るものが、たまらなく好きだったな」と。

縁日の暗がりと、たったひとつの宝物

みなさんは、子どもの頃のお祭りの記憶ってありますか?

赤や黄色の提灯がズラリと並び、ソースや香ばしい醤油の匂いが漂う夏の縁日。日がすっかり落ちて、神社の境内が深い暗闇に包まれる頃、子どもたちの目を釘付けにする屋台がありました。

そう、「光るおもちゃ」のお店です。

暗闇の中でビカビカと怪しく、でも最高に綺麗に輝く光るヨーヨーや、男の子たちの憧れだった光る剣(光刀)。暗い境内を背景に、それを持ちながら嬉しそうに歩く子どもたちが、子ども心に羨ましくて羨ましくて仕方がありませんでした。まぶしいくらいの光を手に提げて歩く姿は、まるで夜の主役にでもなったかのように見えたものです。

「いいなぁ、欲しいなぁ……」

そう思いながら親の顔を見上げてみるのですが、うちの家は少し厳しくて、そういったおもちゃは「すぐ壊れるから」「余計なものは買いません」と、なかなか買ってもらえませんでした。お祭りに行くたびにねだってみるものの、返ってくるのは首を横に振るお返事ばかり。光るおもちゃを手にして楽しそうに走っていく友達を、少し切ない気持ちで見送ったのを覚えています。

ところが、です。 ある年の夏祭り、たった一度だけ奇跡が起きました。

いつものように「これ、ほしいな……」と小さなおねだりをしてみた時のことです。どういう風の吹き回しだったのか、親が「…じゃあ、今日だけ特別ね」と、お財布を開いてくれたのです!

あの時の感動は、今でも忘れられません。手渡された光るおもちゃを握りしめた瞬間、手のひらから伝わってくるプラスチックの感触と、暗闇をピカピカと照らす光。まるで、夜の暗やみを切り取って、自分だけの宝物にできたかのような、誇らしくて誇らしくてたまらない気持ちになりました。

帰り道、ずっとその光を見つめながら歩きました。家に帰ってからも、部屋の電気を真っ暗にして、敷布団の上でただじっと、その光を眺めていたものです。

なぜ人は「暗やみの光」に惹かれるのでしょうか

大人になった今、思い返してみると不思議ですよね。 昼間の明るい場所で見れば、それはきっと、なんてことのないプラスチックでできた小さなおもちゃに過ぎません。

でも、「暗闇」という背景があるからこそ、その小さな光は特別な輝きを持ち、私たちの心を強く揺さぶるのではないでしょうか。

昔の人たちも、きっと同じ気持ちだったのだと思います。まだ電気もなく、夜が今よりもずっと深くて暗かった時代。人々は暗闇の中に浮かび上がる「光」や「影」の物語に、現代の私たちがデジタル花火を見るのと同じように、目を輝かせてワクワクしていたはずです。

光そのものの美しさもさることながら、その周りにある「暗闇」があるからこそ、光はより鮮やかに、そして幻想的に私たちの心に届くのかもしれません。最先端のプロジェクションマッピング技術も、昔ながらの手作りのおもちゃも、そして暗闇を照らす小さな明かりも。形や時代は違っても、人が「暗闇の中の光」にワクワクする気持ちの根っこは、ずっと変わっていないような気がします。

今夜はちょっとお部屋の電気を消して、小さなお気に入りの明かりを灯してみませんか? もしかしたら、あの日のお祭りの夜のような、懐かしくてあたたかい「光の魔法」を感じられるかもしれませんよ。

◾️『花火アクアリウム by NAKED』開催概要

イベント名花火アクアリウム by NAKED
会場マクセル アクアパーク品川(〒108-8611 東京都港区高輪4-10-30品川プリンスホテル内)
開催期間2026年7月4日(土)〜9月6日(日)
開催時間※時期により異なるため、詳細は公式HPをご参照ください。
チケットおとな2,800円小・中学生 1,300円幼児(4才以上)800円※別途、高校生割引あり
お問い合わせ※詳細は公式HPをご参照ください■住所:〒108-8611 東京都港区高輪4-10-30品川プリンスホテル内■TEL:03-5421-1111<音声ガイダンス>■URL:https://www.aqua-park.jp
HPhttps://www.aqua-park.jp/aqua/hanabiaquarium2026/
主催マクセル アクアパーク品川
企画・演出・制作株式会社ネイキッド

このブログを読んで、少しでも写し絵と、創作の奥深さに興味を持っていただけたら嬉しいです。ぜひ、私たちの活動や公演(現在お休み中)にも注目してください。 現代影絵プロジェクトのウェブサイトはこちら: https://utsushie.org/ また次回の「写し絵の話しあれこれ」でお会いしましょう!